欲望としてのデザインについて
「日本のデザインー美意識がつくる未来」 原研哉
この本は以前岩波書店の「図書」で連載していた「欲望のエデュケーション」をまとめたものである。掲載当時から折にふれて読んでいたが、まとめて読むとたま違った感想が浮かぶ。デザインについて書かれた本であるが、その実今日の日本について論じ、その未来について様々な示唆を与えるものである。
序では、美意識というものが資源であるいう考えが展開される。そして、それに照らし合わるように、1章から6章までが展開されている。考えと行動を美しく、共鳴しあっている。
この本は前著「デザインのデザイン」と対になるような本である。「デザインのデザイン」でも、彼の状況把握力や先見性、行動力には驚いた。今回の本でも、日本やアジアを取り巻く状況を踏まえた上で、それを言語化しビジュアル化しようという意欲にあふれている。そしてそれが気持ちいい水準まで高められている。また、状況に甘んじるのではなく、自らが「コト」を起こすことによって未来を切り開こうとする強かさを伺うことが出来る。
「12人の優しい日本人」
もっと早く見ておけばよかった。会議室の話し合いだけで2時間持たせているというのがまずすごい。
それは12人の役者たちが感情豊かにまた、それは違うんじゃないかとかツッコミを入れながら見ることができた。
ただ、陪審員とはこんな風に話だけで決まってしまうものだろうか。
証言はあるが、それだけで決めるというのは難しいだろうな。特にその証言の真偽が問われる状況であれば。
「ゾウの時間 ネズミの時間ーサイズの生物学」本川達雄
サイズによる生物の違いを解説した本として有名で、そういえば読んだことないなとおもって読んでみた。
生き物って不思議なんだな〜と改めて思う。それは普段人間しか相手にせず、関わる動物といえば猫くらいしかいないからだろう。
子どもの時は虫かとか捕まえたけど、外で虫見る機会ってあまりないもんな。
生物から見た人間のサイズ感というのが面白い。
生物として見た場合、人間の行動範囲は2キロである。とか、エネルギー消費量から見ると人間は象くらいだとか。
あと、なぜ生物に車輪やスクリューが無いのかとかも、当たり前に思っていたけど、言われてみれば何でだろうと言う点も解説されていて面白い。
「子どもの貧困Ⅱー解決策を考える」を読了
2008年に出され、日本における児童の貧困の問題を投げかけた「子どもの貧困」の続編に当たるもの。
この本では、貧困の中にいる子どもに対する効果的な対策とは何かを論じている。
特に現金給付と現物(サービス)給付は、そのバランスが大切であると感じた。